登山道整備編 第三期
私たち登山者は、山の中で、きれいな空気を吸い、すばらしい景色を眺め、時には人との貴重な時間を過ごします。登山を通して心身が健康になること、余暇の楽しみが増えることで、自分の人生を充実させています。
それらの恩恵を受けている私たちの足元には、道があります。
山に親しむ登山者の手で、未来に残る道をデザインしませんか?
自分が作った道を、日々たくさんの人が歩く。道があることで、周囲の生態系や植生が守られる。
道づくりは、登山とは異なる面白さと感動を与えてくれる、山の新たなアクティビティです。
講師
自然に近い・近づける「近自然工法」による登山道整備や技術指導で1年中歩き回り、山を治す。
山は好きだけど、登山よりも治すことの方が好き。
自然を観察し、変化を感じ取り、合わせていく作業を実践している。
カリキュラム
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7月テーマ:自然をマネして、道をつくる
いま日本各地の山々で、登山道の荒廃が進んでいます。
崩れた登山道を放置すれば、転倒や滑落などの原因となり歩く人の安全を脅かすだけでなく、周囲の生態系や植生が侵食されるため、やがて美しい風景も失われていきます。
この問題に対しては、これまでも登山道を補修する様々な取り組みが行われてきました。
しかし、登山道の整備は、やり方によっては自然の景観美を損なうばかりか、さらに被害を拡大させるリスクがあるため、正しい知識と技術を身につけて行う必要があります。
1ヶ月目は、自然の価値や構造物の力学、生態系・植生についての理解を深めながら、風景になじみ、植物を蘇らせ、100年後の森を育む道づくりを学びます。
フィールド講習では、夏の雪景や希少な高山植物、秋の紅葉などで人気の大雪高原温泉沼めぐり登山コースで、実際に多くの登山者が歩く登山道を作ります。-
オンライン講習日程:7月12日(水) 19:30~21:00
内容:オリエンテーション / 講師・参加メンバー紹介 / 大雪山の現状と侵食のメカニズム / 注目を集める職人技 "近自然工法" -
オンライン講習日程:7月19日(水) 19:30~21:00
内容:自然地理学から見た大雪山の登山道と植生 / 地形の経年変化モニタリングと今後の傾向
招待講師:北海道大学 大学院 小林勇介 氏 -
フィールド講習日程:7月22日(土)〜23日(日)
場所:大雪高原沼周辺 (大雪高原山荘集合)
内容:生息する動植物の種類、川の流れや底に沈む石の状態など、自然観察による自然物の構造理解 / 生態系の把握 / 自然の景観に溶け込む道づくり
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8月テーマ:止まらない侵食。"再生"のスピードを加速せよ
日々、登山者の安全や自然環境の保護に向き合い道を治し続ける人、そこにボランティアとして協力する人たちがいます。
しかし、この努力で治せるスピードを大きく上回るペースで侵食は進んでいます。
本講座で扱う近自然工法のように整備技術は存在しますが、残念ながら、技術だけでは山を守りきれない現状があります。
日本の豊かな自然風景と、山に行く楽しみを守るために、いま登山者の皆さんの力が必要です。
2ヶ月目は、大雪山国立公園にスポットを当て、国や行政の取り組みと課題、登山者に求められる役割について議論します。
フィールド講習では、大雪山系の絶景が魅力の白雲岳を舞台に、様々な道具を使った施工を行います。
避難小屋に泊まりながらの整備活動は、白雲岳ならではの貴重な体験です。-
オンライン講習日程:8月2日(水) 19:30~21:00
内容:大雪山が持つ "国宝級" の価値と特徴 / 大雪山に関わる人々の取り組みと課題・未来への展望 -
フィールド講習日程:8月18日(金)〜20日(日)
場所:白雲岳避難小屋周辺 (大雪高原山荘集合)
内容:高山帯にある寒暖差が作りあげた芸術的な生態系を体感 / 砂礫地での登山道整備とは、崩れを見越した施工方法 / 自然の時間軸を考える植生復元
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8・9月テーマ:人が歩くほどに、山が美しくなる未来へ
自然環境を守るためには、人が山に入らない方がよいという見方があります。
しかし、山はすでに人の生活や産業と密接に結びついており、今から人の立ち入りを止めたところで、侵食は止まりません。
一度人の手が入った山は、荒廃の拡大を食い止めると同時にその景観美を将来に残すために、人の力を必要としています。
そして、人と山との共存関係を築いていくためには、人がもっと山を好きになり、守ることへの関心を高めていくことが不可欠です。
その意味において、登山は、人と山の関係をつなぎとめるとても有効な手段なのです。
3ヶ月目は、普段の登山とは異なる新たな視点で山を見渡し、生きた風景や植生に思いを巡らせ、登山者一人ひとりにできることを考えます。
その過程で、日本よりも登山道整備の歴史が長い、海外の取り組みや先進的な仕組みについて理解を深めます。
フィールド講習では、北海道の大自然を感じられる湿原や原生林、山奥の秘湯などで人気の愛山渓エリアを訪れ、これまで学んだことの集大成として、人と自然に優しい道づくりを行います。-
オンライン講習日程:8月30日(水) 19:30~21:00
内容:近自然工法と公共工事 / 登山の「維持・管理」と「整備」の違い / 自分の能力を活かす場所としてのボランティア
招待講師:環境カウンセラー・山口和男 氏 -
フィールド講習日程:9月9日(土)〜10日(日)
場所:愛山渓 周辺
内容:踏圧侵食を防ぐための木道作り / 侵食防止と歩きやすさのバランスを考える / 人間が嫌いなドロドロ道は植物には必要な土壌、植物の視点で考える観察眼を養う -
オンライン講習日程:9月20日(水) 19:30~21:00
内容:3ヶ月間の振り返り・学びの共有 / 次のステップアップと今後の道づくりへの関わり方について
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期間・募集人数
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参加期間2023年7月〜9月
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受講料160,000円(税込)
内訳
フィールド講習 第1回 大雪高原温泉・高原沼周辺 旅行代金:49,000円
第2回 白雲岳避難小屋周辺 旅行代金:62,000円
第3回 愛山渓周辺 旅行代金:49,000円
オンライン講習 全5回 :上記フィールド講習代に含む -
定員15名
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エントリー期間2023年6月2日(金)〜6月30日(木)
参加の流れ
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STEP01 クラブツーリズムのエントリーページよりお申し込みください。
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STEP02 クラブツーリズムより確認のメールおよび書面をお送りいたします。
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STEP03 受講料をお支払い頂き、Facebookグループにご参加頂いた時点でご入学となります。
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STEP04 同期生との交流や、エキスパート講師陣による講座をお楽しみください。
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STEP05 所定のプログラムを修了されると、卒業となります。
受講期間中のご連絡はFacebookグループ内で行います。受講される方はFacebookのご登録およびグループへのご参加が必須となりますので、あらかじめご了承ください。
YAMA LIFE CAMPUS 旅行企画・実施:
クラブツーリズム株式会社
過去の講座の様子を写真でご紹介
募集中の講座
次回募集をお待ちください
募集予定の講座
次回の募集をお待ちください
大雪山の「登山道荒廃問題」は深刻な状況です。300kmあると言われる登山道では、いたるところで道が崩れ歩きにくくなり、土が流され、植物が減っています。
YAMA LIFE CAMPUS(登山道整備編)では、侵食を止め、生態系を復元させる考え方である「近自然工法」を皆さんと共に学び、登山道整備を実践したいと考えています。登山道整備は「自然観察とものづくり」であり、どちらもとても楽しいと思っています。
復元した植物を見た時の感動は、普通の登山ではまず感じない感情です。
大雪山という美しい自然を利用するだけでなく、地域の自然正しく理解し、旅を楽しむという真のエコツーリズムで皆さんとお会いできることを楽しみにしています!